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城西病院での初診内容その2
その1からの続きです。
次にどの検査をやるかという説明をして頂きました。遺伝的問題である染色体の検査は決まったので先天的な問題と後天的な問題の説明です。



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まずは先天的な問題。子宮の奇形があるかどうか?これは持って産まれて流産しやすいかどうか。これはやってあるんだね?では、先天的な問題はクリアされてると。

次は後天的な問題。子宮内環境はどうかということを調べましょう。それでも(流産の原因としては)半分なんだよ。精神的な問題はまた別の所にあるからね。

身体的なことで……
まずは卵巣の機能。黄体ホルモンが以前やってある検査では「11」だから全く問題はない。正常ですね。

甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンが高いとどうしていけないかというと高いと子宮内環境が良くなくなるわけ。子宮というのはだいたいニワトリの卵くらいの大きさなんだけど大きくなるとこのくらい(直径15センチくらいの円)大きくなるわけですよ。筋肉はのびるんだけど中の毛細血管はのびないから毛細血管はものすごく、とぐろを巻いているんです。

子宮の中に受精した受精卵は子宮内から酸素を取り寄せて発育、分裂していくから血液の流れを悪くするような物は全部-低酸素状態になるような環境は全部-流産原因になっちゃうわけ。となると、甲状腺の機能が高いと、まぁ低くてもそうなんだけど末梢循環不全が起こる。すると、受精卵がたとえば、僕らでもそうだけど、山の上でマラソンしろって言われているようなもので非常に環境が不利なんですよ。酸素はあるけど少ないでしょ。あのような環境。だから、当然血管が萎縮するということはさけるべきなんです。血栓も同じ。ということで、甲状腺とか糖代謝、高脂血症ということは子宮内環境を悪くするものなの。妊娠初期は凄く血液を必要とするものだから。自分の脳よりもね。だから、良くない。だから甲状腺は一定にしておかないとね。代謝を調整するホルモンだから。これはあなたは治療中ということで、検査はいいね。これ、一つの危険因子になるよ。

次はプロラクチン
これはS先生の所ともう一カ所で正常ということが出ているけれど実はプロラクチンというのはストレスでも高くなる。で、プロラクチンというのは夜中の2時、3時が日内変動でピークになるんです。だから午前中に測ったからと言って正常かどうかいうのは絶対ではないわけ。もし一回で測るなら夜中の2時3時に採血しないと分からない。だから分かるためにはどうするかというと糖尿病の潜在を調べるのと同じで刺激して負荷をかけてその後動きを見るわけ。そうするとはっきりしてくるわけ。で、プロラクチンはストレスで上がるというのが分かっているから。甲状腺もそう(ストレスと関連)なんだよ。

甲状腺は首にあるけど、TSHというのが脳から出て甲状腺を刺激する。亢進状態だと、TSHあんまり出てないんですよ。甲状腺ホルモンが高いから。あなたの場合、TSHに対する自己抗体(TRAb)があるっていうことが分かっている。で、脳を刺激して甲状腺が高くなっているのね。その上の視床下部とか大脳皮質っていうところの影響を受ける。

で、このTRH(プロラクチンを測るときに使う刺激物質)というのは、TSHを刺激するホルモン。もう一つ上のレベルの視床下部から出るホルモン。TRHを打つことによって、脳下垂体を刺激する。で、プロラクチンは脳下垂体から出るんですよ。TSHと同じ所から。向かうところは乳腺。問題なのはストレスがかかっているとプロラクチンが若干高くなる。プロラクチンがものすごい高くなると黄体ホルモンを押さえちゃうから排卵しなくなるわけ。微妙に高いと妊娠してから卵巣から黄体ホルモンが2倍、3倍と上がっていかなきゃならないのだけどこのプロラクチンっていうのは卵巣に対して、黄体ホルモンの分泌にブレーキかけちゃうの。車で言うとエンジンブレーキをかけたまま走ってるようなもの。そうすると車にとっては不利でしょ。プロラクチンが卵巣にブレーキをかけるのは出産と同時に完全にブロックかけて排卵しないように。すぐ子供が出来ないようにするためなんだけど。途中で妊娠が中断しているような場合には若干高くなるわけ。とすると、こういう風にブレーキがかかっちゃう。その上にストレスがある。

それからプロラクチンにはナチュラルキラーをあげる作用があるんですよ。これは自分が母乳を育てている時に風邪ひいちゃいけないから、ウィルスにも強い身体にする。プロラクチンには免疫作用を刺激するものがある。で今のような状況になっているとたとえばプロラクチンが高いとするとNKとか、赤ちゃん半分ご主人だから胎内で拒絶反応が出てしまうの。で、実際にプロラクチンが高いかっていうのはTRHの注射を打って測っていくの。そうするとよく分かるから。今日は低体温だから出来るね。これもやろう。だからある意味ストレス性の物も引っかけることが出来るんですよ。

ここのところが大学の先生ではやれないところ。ストレス系のところがね。結局数値が出てこないからやり辛いですよ。大学はデータをとらなきゃいけないから。医学の発展というところで、客観的にとれないでしょ?ストレスは症状でやらないといけないから。

血液の方は、これはS先生専門だけどあなたの場合は12因子が不足している。血液固めてしまう代表の自己抗体がすでにあると考えて良いからで、少量のアスピリンとヘパリンが非常に有効ということが分かっている。凝固系の方だけ念のため今日再検査しましょう。一般の検査だけやらせてください。今の状態をみたいので。

プロテインCはやってなかったよね?これは2次スクリーニングでやるような物だからねぇ。これはいいや。何か原因が出てこなかったらやるから。

抗核抗体、細胞の核に反応するのが弱+だね。

ループスアンチコアグラントという代表のやつを今の状態で検査しましょう。血液を固めてしまうものの代表だから、これは。保険で出来ます。

ナチュラルキラーNK免疫細胞検査。これが保険が利かない。これは拒絶の免疫の主役だから。これが高いとご主人のリンパ球の治療とか考えないといけない。

TGF-β1。これが高いといくら手術してもケロイドになっちゃう。要は子宮内除去術を一回でも受けているから細胞間結合組織というのだけど結合組織が異常に高くなるようなものになっちゃうんですよ。とすると受精卵が深く入り込めないのね。ということが分かっているから。
これをちょっと測りますね。

抗PT(プロトビン)抗体っていうのはやらなくてもいいでしょう。凝固の下の方で作用するものなのでね。

今あなたの状態として分かっていることはチウラジールで甲状腺を調節してアスピリンとヘパリンで治療していくと。それ以外の物がないかどうかを探ってみましょう。

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とここまでで、検査内容を説明していただきました。
by hinahinar | 2006-03-07 11:20 | 城西病院妊娠前検査等
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